今日は
「子どもが少しでも泣くと家の人が
スマホで動画を見せるのですが、
それはいいのでしょうか?」とご質問を
いただいたので、それを
言語発達の観点から見てみたいと思います。
(スマホの害については「スマホ脳」
などの著書もありますのでそれらを
ご覧ください)

 

赤ちゃんや小さな子どもが
泣くのは何のためでしょう?

今日は小さな子どもの「泣く」ということと
言語発達の繋がりを考えると共に
泣いたときにすぐにスマホで動画を与える
ことで子どもが受け取るメッセージと、

では、言語発達のために
大人はどうするといいのかを
お伝えしたいと思います。

1,赤ちゃんや小さな子どもは何のために泣くの?

 

伝えたいことがあるけれど、
まだ言葉を話す能力が発達しておらず
上手く伝えられないからそれが
泣くという行動に出ます。

 

2.「まぎらし」の対応が与える
子どもへのメッセージ

お子さんに泣かれたくなくて、
すぐに泣くのをやめさせようと
まぎらしていませんか?

 

泣かないようにとおしゃぶりを与えたり
ちょっと泣きそうになると
動画を見せてまぎらすなどしていませんか?

 

これは、子どもからすると
「あなたは話さなくていい」
「あなたの話は聞きたくない」
というメッセージになります。

 

想像してみてください。

例えばあなたが誰かに

「あのね、・・」って

話しかけた時に

「はいこれ見てね!」って
スマホを渡されたら、

それも1回だけでなく

「あのね、・・」

「はいこれ見てね!」

 

「ねえねえ、・・」

「はいこれ見てね!」って

何度もそんなことがあったら

どんなふうに感じるでしょうか?

 

まぎらしの対応を続けていると、
子どもは
「どうせぼく・わたしの話は
聞いてもらえない」と
間違った思い込みをしてしまいます。

 

そうならないように大人がすることは何でしょう?
次にそれを見ていきましょう。

3,まず、はじめに大人がすること

・子どもが伝えたい気持ちを想像する

・子どもが伝えようとしていることは何でしょう?
考えて感じようと努力してあげてください。

 

「お腹がすいたよ!」とか

「もっと欲しかったよ!」とか

「おむつが濡れたよ!」とか
(最近のおむつは性能いいから泣かないかもしれませんが)

「眠いのに一人で上手に寝られないよ」とか

「暑いよ!」とか

「寒いよ!」とか

「痛いよ!」とか

「びっくりしたよ!」とか

「ママが見えなくなると心配だよ!」とか

 

この辺までは比較的わかりやすいですが、

 

「つまらないよ!」とか

「不安だよ!」とか

「淋しいよ!」とか

「悲しいよ!」とか

「なんで〇〇してくれないの!」(怒り)とか

「悔しかったよ」とか

 

乳幼児にもさまざまな感情があり、
何か伝えたいことがあるけど
まだ言葉で言えなくて泣いています。

 

周囲の状況などから、大人は
子どもが伝えようとしていることを
推測してみてください。

4,そして次にすること

・その泣いている気持ちを伝えるための言葉を子どもにかける

ことです。

泣きたい気持ちを言葉で表現できるようになると
泣くことは減っていきます。

 

そのため、言葉で表現できるようになるには
その言葉を知ること、

まず、泣いたときに
例えば
「暑かったね!」「暑かった!」や
「○○なのかな?」と言葉に表現してもらうこと、

「わかってもらえた!
自分の言いたいことはそれだ!」と

気持ちが伝わった体験、
気持ちを言葉にしてもらう
体験が必要です。

もちろん、応えられる要求なら
応えてあげてください。

 

子どもの言いたいことはわかるけれど
それには応えてあげられないという時は、

「○○したかったね。」や
「○○欲しかったね」

などと気持ちを言葉にして共感してあげて

「でも今はできないよ」と伝えて
後は泣き止むのを待ちましょう。

また、泣くことにはストレスを発散する
効果もあります。

 

やりたいこともガマン、
泣くのもガマンではなく
泣くくらいはさせてあげてくださいね。

子どもは必ず自分で気持ちを収められます。
「気持ちはわかるよ」と抱っこしてあげたり
少し大きいなら背中に手を当ててあげたり
するのはよいでしょう。

 

5,子どもが伝える前に先回りしない

泣いて伝えるのではなくても、
子どもと一緒にいるとその子の
言いたいことがすぐにわかって

子どもが何も言わないのに

例えば
何かが机から落ちたらすぐに取ってあげたり

していませんか?

これは、子どもが話す機会を奪っています。

言葉が遅いと思った時は特に、
少し見て見ぬふりをするくらいで、
子どもが自分から
伝えようとするのを待つとよいでしょう。

そして何か伝えたいけど言葉にならないようなら
『「○○取って」だね』
と言葉にしてあげるとよいでしょう。

 

 

 

ここまで見てきたように
周囲の大人が子どもの気持ちを聞いてあげれば、
子どもは必ず自分の思ったことを
言葉で伝えられるようになりたいと
思っています。

 

その時期には個人差もあるので、
だんだん大人の言うことを理解しているようなら
焦らず、子どもの気持ちを言葉にする関わりや
子どもが自分で伝えられるようになるための
「待つ」という関わりをしていきましょう。

もちろん、

周囲の大人が楽しくおしゃべりする
所をみせること、

 

まだ話せない子どもにも
たくさん話しかけてあげること、

まだ、喃語で意味がわからなくっても
話しかけていることに

「うんうん、○○○○って言えたね」と
答えてあげることも大切です。

 

(ここで言いたいのはスマホを見せるのが
全て悪いと言う意味ではありません)